「インセプション」と「イエスマン」ジムキャリーはんぱない!

インセプション日曜洋画劇場で放送されるとのことで気合い入れてスタンバってたんですが、脇のロバートの声が小山力也(ジャックバウアー)だったので吹替えがアンバランスだなぁと思ったり、テレビサイズなのかオリジナルより30分くらいシーンがカットされていたり若干興ざめしてしまった感はあるんですが、インセプションはやっぱ面白いなぁと。

インセプションは「ダークナイト」で「タイタニック」に次ぐ全米興行成績2位(現在は3位)を打ち立てたクリストファーノーラン監督がディカプリオや渡辺謙を起用したSFサスペンスアクション映画で、ターゲットの夢の中に侵入してアイデアを盗んだり植え付ける産業スパイの役として夢の中、夢の夢の中、夢の夢の夢の中と三階層ごとに物語が進むんですが、夢の世界であることと、その定義の難解さに1回観ただけじゃなかなか理解できなかったりしてかなり集中力が必要な映画なんですよね。

何度もこのブログでクリストファーノーランのことについて言及してきたんですが、改めてインセプションの好きな所を整理すると、
実業家の渡辺謙が産業スパイのディカプリオに、競合他社の跡取りのロバートの夢の中に入り会社を縮小させるアイデアを植え付けさせる依頼をするという話の大筋から始まって、その後ロバートに接触し、彼の夢の中、夢の夢の中、夢の夢の夢の中にまで入り事業縮小のタネを植え付けに行くというストーリーなんですが(かなりスリムにあらすじを説明しましたが)
、目的を遂行するだけじゃなくて、ディカプリオの家庭環境についてまで言及されるシーンがこの映画の見所のひとつになっていて、それは何かと言うと、死んだ奥さん(マリオンコティヤール)が幻影となって現れてディカプリオの仕事を常に邪魔し、また幻影となって奥さんが現れる理由についてもディカプリオ自身の胸の中にあるのでそれを作品の中で紐解いていくんですよね。
これによって、苦悩を背負った役のディカプリオにとってメソッド式演技の”内面からにじみ出る独特の雰囲気”に拍車をかけてくれるんですね。
で次に、夢の中の世界を表現した映像描写がとてもリアルなんですよね。アーサーというディカプリオの相棒がホテルのロビー(夢の夢の中)で敵と殴り合いをするシーンがあるんですが現実世界ではないので、ロビーが360度回転したりするんですね。

360度回転するロビーのアーサー 「インセプション

で、こここそが、今敏監督のアニメーション映画「パプリカ」のオマージュではないかと僕は勝手に思ってみたりしてるんですよね。

ぐにゃぐにゃになるロビー 「パプリカ」

パプリカはどんな映画かというと、人の夢の中に介入できるDCミニという装置が盗まれて、人々に悪夢を見せては次々と精神崩壊に追いやるという事件が発生するため、主人公のパプリカがその犯人を追うという話なんですが、これも夢を題材にした映画なんですよね。パプリカをもっと現実的に演出したのがインセプションなんじゃないかと考えちゃったりしました。
また、夢の中でディカプリオの奥さんが「こここそ現実よ!」と言って夢の中に入り浸ることで現実と夢の中の区別が出来なくなってまさに現実逃避をしてたんですが、ここもマトリックスのオマージュなんじゃないかなぁと思ったりするシーンが結構あったりなかったり。

で、未だに議論がされる一番最後のラストシーンについてですが、「え?どっちなの?」と思った人がいると思うんですよね。ディカプリオは現実世界に戻った時、そこが確かに現実世界なのか確かめるためにコマを回してコマが倒れたら現実世界、倒れなかったら夢の中、というように区別してるんですが、ラストシーンで家族とディカプリオが再開するシーンではコマが回り続けている様に見えるんですよね。なので観てる人は「ハッピーエンドじゃないの?どっちなの?」となるんですよね。
というのも、クリストファーノーランの映画は処女作のフォロウィングから「え、どっちなの?」「え、違うの?」という裏切る描写を絶対に入れているんですよね。なのであのラストシーンでやきもきするのは必然の要素だったので、現実なのかまだ夢なのか、答えはどっちでもないんですよね。


あと、最近は24をシーズン1から見直してるのでなかなか映画を観れてないんですが、昨日はこれを観ました。

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はい、ジムキャリーの「イエスマン」です。僕は幼い頃からジムキャリーが大好きなんですが、これは割と新しめの映画なので初めて観ました。
とにかく自分に言い訳をし続けてはつまらない日々を送ってたジムキャリーが、自己啓発セミナーへの参加をきっかけに「YES」しか言えなくなるんだけども、YESを言いまくることで人生が180度ガラリと変わり、恋も仕事も絶好調になるんだけども・・・という内容なんですが、内容が酷似してる作品にジムキャリーはすでにあるんですよね。「ライアーライアー」という映画なんですけど、嘘八丁・口からでまかせで仕事をこなす敏腕弁護士役のジムキャリーが、弁護士の仕事だけじゃなく奥さんや娘にまで嘘をつき通すので家族から嫌われてしまうんですが、ある日突然嘘がつけなくなってしまうんですね。けども嘘をつかずに正直に生きることで仕事も家庭も円満になるという話なんですよ。
構成的に「正直な気持を伝えられない」→「しかし功を奏し思わぬ方向に展開する」→「人生円満」というお決まりのステップなんですけど、ジムキャリーは何度観ても面白いので設定が変わっただけでも飽きないんですよね。そこがジムキャリーのすごいところだなぁと。

わけのわからないジムキャリー イエスマン

で、ジムキャリーはコメディ要素が強いんですが、実際は「2人の男と1人の女」や「マジェスティック」で演技力の高さも発揮してるんですよね。

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ふたりの男とひとりの女〈特別編〉 [DVD]

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とくに「2人の男・・」では一瞬だけ鳥肌が立つ演技をするシーンがラストにあるのでよく観ると本当にすごい俳優なんだと分かります。

マジェスティック

2人の男と1人の女

はい、ということで、本当に年間300本映画観れるのか?と既に焦ってるんですが、映画観溜めてまたブログ書きます!はいすいません!じゃあまた!