「ラリーフリント」っていうポルノ雑誌の鬼才の自伝映画

最近、無性に自衛隊に入りたくてしょうがない。

前職のIT会社を退職した後自分で事業をしてやりくりしてるんですけど毎日思っているのは「多勢でわーわー言いながら仕事がしたいなぁ」ってこと。
企業にいた時は同期を慰めたり逆に慰められたり、嬉しいときは全員で祝ったり騒いだり、上司に噛み付いたりって何かと生きてる実感があった。

けど今は自由に仕事をしているけど一緒に喜べる仲間がいないから寂しく思ったりする。
そんな時偶然に自衛隊を除隊した人と一緒に仕事をする機会があって話を聞かせてもらったらそこは生きてる実感みたいなものを感じられた。
有事の為に銃器の取り扱いを覚えて演習をするだけでなく、重い荷物を背負って100キロ以上市街地を歩いたり、はたまた落ちこぼれを作らない為にみんなで協力しながら全員で目標を達成させたり、仕事を早く終わらせてみんなで野球をやったりって、イメージしてた自衛隊と少し違う事をその自衛隊出身の方はしてたみたい。

映画のファイトクラブは、北欧家具を自宅に揃えて綺麗なオフィスで淡々と仕事をこなす名前すら無い主人公に生きてる実感はあるのか?とブラピが問う。生きてる実感を得る為に主人公は連日ファイトクラブを行いそこで男としての本能を呼び覚まし日に日に男らしくなっていく。

そんな中でボーっとしてて映画を探してたら「ラリーフリント」っていう映画を見つけた。

ストリップ小屋を経営していた主人公のラリーフリントは店のお客向けの会報誌の延長で「ハスラー」というポルノ雑誌を創刊した。
低所得者向けの下品で低俗な内容に作りこみを徹底して、大統領夫人のヌード写真を掲載をしたりして発行部数をのばし、ラリーフリントは億万長者になる。けども強烈な性描写が原因で裁判沙汰の繰り返しと、有名キリスト伝道師をパロディにした卑猥な広告記事を作り、最高裁の裁判を起こす。「有名人の誹謗中傷は表現の自由か否か」で争われることに。しかしラリーの奥さんがエイズで亡くなる。そんなラリーの奥さんをことを言ったのか、訴訟相手の有名キリスト伝道師はテレビ番組でキリスト原理主義の教えとしてエイズ患者をあざ笑うように伝道をする。それを見たラリーフリントは表現の自由を求め最高裁で争う事を決め勝利の判決を手に入れた。

創業者映画でよくある孤独
創業者の話の映画でよくあるのが、孤独を誇大に演出すること。
市民ケーンケーンソーシャルネットワークザッカーバーグ、ココアヴァンシャネルの若いころのココも孤独描写が必ずある。けどもこのラリーフリントは創刊時からの仲間や、弁護士、そして奥さんって、彼を待ってる仲間がいつだっている。そこが他の創業者映画と違って主人公に感情移入ができる大きな違いだと思う。
けども、この映画のラストシーンは、ベッドに横たわり心あらずで勝訴の報告を聞きながら、生前の奥さんのビデオテープを眺めながら思い出に浸った主人公のアップで映画は終わる。ここで初めて孤独描写が入る。ポルノに生きた男が自分の奥さんとの思い出を思い返す姿に最愛の愛を感じここでも感情移入ができてしまう良い映画だった。

この映画のラリーフリントで生きてる実感というのは世間に風波を起こして裁判を起こしまくってる事だろう。
自分に置き換えたら自分が今の生活してる中でニンマリできることは何か改めて考えさせられた。

ちなみにファイトクラブの名も無い主人公が弁護士役で出ていてなかなか良いポジションなのでファイトクラブと合わせて観るのもオススメします。